ベランダや屋上に鳩が居着いてしまい、
「糞の掃除をしても掃除をしてもキリがない」という状況になっていませんか?
「業者に頼みたいけれど、費用がどのくらいかかるのか見当がつかない」という段階で足が止まってしまうことも多いのではないでしょうか。
この記事では、鳩対策・防鳥ネットの費用相場を、個人宅と、マンション・ビル・工場といった法人向けの2つに分けて整理します。あわせて、鳥獣保護管理法との関係や、糞害による健康リスク、業者選びのポイントも、複数の専門業者・自治体の公開情報をもとに解説します。
- 鳩よけネットの設置費用は、個人宅のベランダで1㎡あたり3,500〜5,000円程度が目安
- マンション・ビルなど法人向けは施工面積が大きくなる分、総額は数十万円規模になることが多い
- 鳩・卵・ヒナの捕獲や、卵やヒナがいる巣の撤去には鳥獣保護管理法に基づく許可が必要
鳩・鳥害でよくある被害とサイン
鳩による被害は、次のような形で現れるケースが多いです。
- 糞害: ベランダ・屋上・看板の上部などに糞が堆積し、美観を損ねるだけでなく悪臭や衛生面の問題につながります
- 営巣: エアコン室外機の裏、換気口、駐車場の梁、看板裏など、雨風をしのげる隙間に巣を作ります
- 鳴き声・騒音: 早朝のクルックーという鳴き声が、近隣トラブルの原因になることもあります
- 建物の劣化: 鳩の糞は酸性度が高く、放置すると金属部分の腐食やコンクリートの劣化を早める要因になるとされています
鳩は帰巣本能が強く、一度「安全な場所」と認識すると同じ場所に戻ってくる習性があります。糞を掃除するだけでは根本的な解決にならず、ネットや剣山などで物理的に寄せ付けない対策が必要になるケースがほとんどです。
鳩対策・防鳥ネットの費用相場【個人宅】
まずは戸建て・マンションの一室など、個人宅の対策費用の目安です。複数の専門業者が公開している料金情報を並べると、次のような幅があります。
| 施工内容 | 費用の目安 |
| 防鳥ネット設置(ベランダ) | 3,500〜5,000円/㎡ |
| 糞の清掃・消毒 | 3,000〜5,000円/㎡ |
| 巣の撤去 | 10,000〜30,000円程度 |
| 鳩よけスパイク(剣山)設置 | 2,000〜4,700円/m |
| 忌避剤の設置 | 1,000〜3,000円/m |
| 太陽光パネルの鳩よけ対策(外周30m程度) | 120,000〜210,000円程度 |
ネット設置・清掃・巣の撤去などを組み合わせた場合、戸建てのベランダ1箇所あたりの総額は6万〜10万円程度になるという業者情報が複数見られます。ただし、これはあくまで一般的な目安であり、被害の程度・施工面積・建物の形状によって金額は変動します。
鳩対策・防鳥ネットの費用相場【マンション・ビル・工場】
マンションの共用部やビル・工場といった法人向けの案件では、施工面積が広くなる分、総額も個人宅とは桁が変わってきます。実際の施工事例として、次のようなケースが公開されています。
| 物件 | 施工内容 | 金額・工期の目安 |
| 15階建てワンルームマンション(バルコニー70戸) | ロープアクセス工法による防鳥ネット設置 | 75万円程度・工期2日(建物形状・状況により変動) |
この事例のように、マンションの全戸バルコニーやビルの外壁・看板・塔屋(屋上の看板塔)など、施工箇所が広範囲・高所に及ぶ場合、ロープアクセス業者は「足場を組む場合と比べて1/3程度の工期で施工できる」としています。
足場の組立・解体にかかる費用と日数をまるごと省けるため、同じ施工内容でも足場工法より総額を抑えられる可能性があります。
マンション・ビル・工場でよく対策が入る箇所としては、次のような場所が挙げられます。
- 駐車場の開口部・立体駐車場の梁
- 屋上・パラペット(屋上の立ち上がり壁)
- 看板・照明の上部、塔屋(看板塔)の内部
- 庇(ひさし)・軒下
- 太陽光パネルと屋根の隙間
いずれも施工業者による現地調査を経て、建物の形状・被害箇所に応じた見積もりを取るのが確実です。
防鳥ネット以外の対策方法との違い
鳩対策には防鳥ネット以外にもいくつかの手法があり、被害箇所や予算に応じて組み合わせて使われます。専門業者の解説をもとに、それぞれの特徴を整理しました。
| 対策方法 | 特徴 | 価格帯の目安 |
| 防鳥ネット | 物理的に侵入を防ぐため効果がわかりやすい。忌避剤のような交換の手間がなく、費用対効果が高いとされる | 中〜高 |
| 鳩よけスパイク(剣山) | 雨どいや窓庇、屋上端部など、鳩が着地・停滞する箇所へのピンポイント対策向き | 低〜中(施工範囲が増えると上昇) |
| 忌避剤 | 設置は簡単で施工コストを抑えられるが、鳩が慣れてしまうと効果が下がりやすく、定期的な交換が必要 | 低 |
| 電気ショック | 鳩が停まりやすい箇所に設置し、痛みで危険な場所だと認識させる。効果は高いとされる | 施工範囲が増えるとコスト効率が上がる傾向 |
| 音波・衝撃系 | 鳩が嫌がる音や衝撃を発生させる。指向性が強く、近隣への影響に配慮した計画が必要 | 高 |
どの手法が向いているかは、被害箇所の形状や近隣環境によって変わるため、現地調査のうえで組み合わせを提案してもらうのが一般的です。
鳥獣保護管理法との関係: 何をしてよくて、何をしてはいけないか
鳩対策を考えるうえで欠かせないのが、鳥獣保護管理法(鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律)との関係です。「フン害がひどいから」といって自己判断で鳩を捕まえたり、巣を撤去したりすると、法律に触れてしまう可能性があります。
環境省・自治体の案内をもとに整理すると、次のように切り分けられます。
- 捕獲・殺傷: 鳩や卵の捕獲・殺傷・採取は原則禁止で、環境大臣または都道府県知事の許可が必要です
- 卵・ヒナがいる巣: 勝手に撤去・移動することはできません。見守るか、許可を得るか、専門業者に相談する必要があります
- 卵・ヒナがいない巣(空の巣): 施設の管理者が自分で撤去してよいとされています
- 防鳥ネット・忌避剤などの予防的対策: 鳩を傷つけたり捕まえたりするものではないため、こうした物理的な対策の設置自体に許可は必要ないと整理されています
違反した場合は、鳥獣保護管理法第83条により1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が科される可能性があるとされています。
「うるさいから」「汚いから」という理由だけで自己判断の駆除に踏み切らず、まずはネットや忌避剤による予防的な対策を検討し、判断に迷う場合は専門業者や自治体の窓口に相談することをおすすめします。
鳩の糞に潜む健康リスク
鳩対策を後回しにできない理由のひとつが、糞に含まれる病原体による健康リスクです。特によく知られているのが「クリプトコッカス症」です。
クリプトコッカス症は、乾燥した鳩の糞に含まれるクリプトコッカスという真菌(カビの一種)を吸い込むことで感染する病気です。健康な人であれば無症状か軽い症状で済むことが多いとされていますが、免疫力が低下している人が感染すると、肺炎や髄膜炎など重症化するリスクがあると医学系の資料でも解説されています。
乾燥した糞は粉塵となって風で舞いやすく、直接触れなくても空気を吸い込むことで感染する可能性がある点に注意が必要です。
このほか、オウム病やヒストプラズマ症など、鳩の糞や鳩自体との接触が原因とされる感染症も複数の専門業者情報で言及されています。
ご自身で糞を清掃する場合は、マスク・手袋を着用し、乾燥した糞を舞い上げないよう水で湿らせてから作業するといった注意が必要です。被害が広範囲に及ぶ場合は、専門の清掃・消毒を業者に依頼する方が安全です。
対策に適した時期はいつか
鳩(ドバト)は年間を通じて繁殖することがある鳥ですが、複数の専門業者の実務知見では、3〜5月頃が繁殖のピークとされています(地域によっては秋にも活発になるとの情報もあります)。都市部では気温や餌の条件が整っていれば、年中営巣が見られることも珍しくないようです。
巣に卵やヒナがいる状態になると、前述の通り勝手に撤去できなくなり、巣立つまでの1〜2ヶ月ほど待たなければならないケースも出てきます。そのため、「繁殖が本格化する前の冬〜早春のうちにネットや剣山を設置しておく」というのが、専門業者が共通しておすすめする進め方です。
すでに鳩が頻繁に出入りしている、巣材となる小枝が落ちている、といったサインが見られたら、卵が産まれる前の早い段階での相談をおすすめします。
- 被害箇所(ベランダ・屋上・看板裏など)と被害の程度を把握しておく
- 巣がある場合は、卵やヒナがいないか可能な範囲で確認しておく
- マンションの共用部の場合は、管理組合・管理会社への相談を先に済ませておく
- 複数社に現地調査・見積もりを依頼し、費用と工法を比較する
業者を選ぶときに確認したいポイント
- マンション・ビル・工場での施工実績があるか: 個人宅向けの実績しかない業者だと、大規模施工の勝手が分からないことがあります
- 鳥獣保護管理法を踏まえた提案をしてくれるか: 卵・ヒナの有無を確認せずに一方的に撤去を進める業者は避けた方が安心です
- ロープアクセス等の無足場工法に対応できるか: 高層階や足場を組みにくい立地では、対応可否で総額が大きく変わります
- 見積もりの内訳が明確か: ネット代・施工費・清掃費・出張費などが個別に示されているか確認しましょう
- 保証・アフターフォローの有無: 鳩は帰巣本能が強く再発しやすいため、施工後の点検・保証内容も比較材料になります
よくある質問
Q. 鳩対策の業者にかかる費用はどのくらいですか?
A. 個人宅のベランダであれば、ネット設置・清掃・巣の撤去を合わせて6万〜10万円程度が目安です。マンション・ビル・工場など施工面積が広い法人向けの案件では、施工内容・面積に応じて数十万円規模になることもあります。正確な金額は現地調査を経た見積もりで確認してください。
Q. 防鳥ネットの施工費用はいくらくらいですか?
A. 個人宅のベランダでは1㎡あたり3,500〜5,000円程度が目安です。マンション・ビルなど大規模な施工では、施工面積や建物の高さ・形状によって総額が大きく変わるため、複数社から見積もりを取って比較することをおすすめします。
Q. 自分でネットを張ってはいけませんか?
A. ネットや忌避剤など、鳩を傷つけずに寄せ付けないための対策自体は、鳥獣保護管理法上の許可なく行えるとされています。ただし、高所での作業は転落の危険があること、巣がすでにある場合は卵・ヒナの有無の確認が必要なことから、無理をせず専門業者に相談することをおすすめします。
Q. マンションの鳩対策は誰が費用を負担するのですか?
A. 共用部分(屋上・外壁・共用廊下など)の鳩対策は、管理組合が費用を負担して対応するのが一般的です。専有部分にあたるバルコニーの扱いは管理規約によって異なるため、まずは管理組合・管理会社に確認することをおすすめします。
Q. 鳩の巣に卵やヒナがいる場合はどうすればいいですか?
A. 鳥獣保護管理法により、卵やヒナがいる巣を無許可で撤去・移動することはできません。巣立つまで見守るか、自治体に相談したうえで捕獲許可を得るか、法令を理解した専門業者に相談してください。
まとめ
鳩対策・防鳥ネットの費用は、個人宅のベランダであれば数万円〜10万円程度、マンション・ビル・工場など施工範囲が広い法人向けの案件では数十万円規模になるのが一般的です。
あわせて、鳥獣保護管理法による規制や、クリプトコッカス症などの健康リスクも踏まえたうえで、早めに対策を検討することが被害の拡大を防ぐことにつながります。
特に、マンションの高層階や、足場を組みにくい狭小地のビル・工場では、ロープアクセスなどの無足場工法に対応できる業者だと、足場代をかけずに済む分コストを抑えられる可能性があります。鳥害対策に対応する高所作業業者の一覧もあわせてご覧ください。