外壁清掃の費用相場は?ビル・マンション向けに足場を組まない無足場工法という選択肢も

外壁清掃の費用相場は?ビル・マンション向けに足場を組まない無足場工法という選択肢も
オヤズナ編集部代表
監修者

オヤズナ編集部代表

オヤズナ編集部代表

高所ロープ専門の窓ガラス清掃、外壁塗装会社を専門に調査・比較する業界特化型プラットフォーム「オヤズナ」の運営者です。
高所ロープ会社での勤務経験を有し、現場視点と業界理解をもとに情報発信を行っています。また、労働安全衛生法に基づく高所作業関連講習を修了しており、安全管理および高所作業に関する基礎知識を有しています。
オヤズナでは、各社の公式サイト・公開情報・施工実績情報をもとに、「安全性(保険加入・資格情報)」「実績(創業年数・施工事例)」「対応力(エリア・階数・緊急対応)」などの独自基準でデータを整理・比較。これらのオリジナルデータベースをもとに、公平性と透明性を重視した記事制作および情報監修を行っています。

「オフィスビルの外壁が黒ずんできたが、営業を止めて足場を組む工事は避けたい」
「マンションの外壁を洗浄したいが、住民の生活への影響が心配」

ビルやマンションを所有・管理していて、こうした悩みを抱えてはいませんか?

外壁清掃は窓ガラス清掃と混同されがちですが、外壁の高圧洗浄・薬品洗浄を専門に行うサービスで、費用の考え方も工法の選び方も少し異なります。

この記事では、外壁清掃の費用相場から、足場を組まない無足場工法という選択肢、2025年に登場したドローンによる新しい洗浄方法、そして業者選びで失敗しないためのポイントまで、一次情報に基づいてまとめました。

外壁清掃の費用相場

外壁清掃の費用は、建物の高さ・立地・汚れの度合い、そしてどの工法を選ぶかによって大きく変わります。工法別に整理すると、次のような目安になります。

工法 設置費用の目安 ㎡単価の目安 適用条件
ロープアクセス 1日あたり約3万円 300〜800円 屋上に固定箇所があること
仮設ゴンドラ 1日あたり1.5万〜3万円 500〜1,000円 屋上に設置可能なこと
常設ゴンドラ 少額 200〜500円 常設設備があること
仮設足場 別途組立・解体費 600〜1,200円 建物の条件を問わず対応可

 

足場を組まない「無足場工法」という選択肢

結論から言うと、屋上にパラペットや手すり、設備の架台といった固定できる箇所があれば、ロープアクセスや仮設・常設ゴンドラを使って、足場を組まずに外壁清掃を行うことができます。

実際に、オフィスビルの高圧洗浄・薬品洗浄をロープアクセスで実施した施工事例は、複数の専門業者で確認できます。屋上に十分なアンカーポイントがある10階建て以上の中高層マンション・ビルとは、特に相性のよい工法です。

無足場工法が向いている建物
10階建て以上の中高層マンション・ビルは、仮設足場を組む場合の費用負担が大きくなる分、無足場工法によるコスト削減効果も比例して大きくなります。屋上にパラペットや手すり、屋上設備の架台といった堅固な構造物があれば、ロープアクセス用のアンカーポイントとして利用できるため、適用しやすい条件が整っています。

ロープアクセスは支点を中心とした可動範囲が限られ、汚れがひどい場合の本格的な高圧洗浄には向かないケースがあります。

実際には汚れの度合いや外壁の素材によって適した工法は変わるため、「無足場工法なら何でも解決する」と決めつけず、現地調査を依頼したうえで業者に判断してもらうことをおすすめします。

無足場工法には、コスト以外にもメリットがあります。

仮設足場と比べて費用を30〜50%程度抑えられるとされ、足場の組立・解体(それぞれ2〜5日程度)が不要になる分、工期を1〜2週間ほど短縮できるケースも珍しくありません。

さらに、仮設足場は空き巣の侵入経路として悪用されるリスクがありますが、足場を使わない工法であればこのリスクを避けられます。

足場で建物が覆われないため、店舗であれば看板や入口を隠さずに営業を続けられる点も見逃せない利点です。

新しい選択肢、ドローンによる外壁清掃

2025年に入り、ドローンを使った高圧洗浄サービスを開始する会社が国内で複数登場しています。

ある会社の実証事例では、従来の足場作業と比較して作業時間を約3分の1、コストを約2分の1に削減できたと報告されており、対応可能な高さは建物条件によるものの最大120m程度とされています。

足場が不要なため、高所からの墜落や設備接触のリスクを低減できる点、洗浄ムラの少ない均一な仕上がりが期待できる点もメリットとして紹介されています。

ただし、これはまだ登場したばかりの新しい技術です。

導入できる建物の条件(騒音・風向き・周辺への飛散防止・立入管理など)は現場ごとに事前調整が必要とされており、全国どこでも対応できる業者が揃っているわけではありません。

「ドローン洗浄ができる業者に依頼したい」という場合は、まずその業者が実際にドローン洗浄の実績を持っているか、対応可能な建物の条件を確認することをおすすめします。

外壁の汚れ、種類によって原因も対処法も違います

「外壁が汚れてきた」とひとことで言っても、実は原因はいくつかに分けられます。複数の専門情報源で共通して挙げられているのは、次の4種類です。

  • 雨だれ(雨筋汚れ):雨水が外壁を伝った跡に、黒っぽい筋状の汚れが残る現象です。庇や出っ張りの下など、雨水が集中しやすい箇所に発生しやすく、時間が経つほど水洗いだけでは落ちにくくなります。
  • コケ・藻・カビ:湿気がこもりやすく、日当たりの悪い北側の外壁でよく見られます。外壁材や塗料の吸水性が高いほど表面に水分が残りやすく、コケ・カビの温床になりやすいとされています。カビは胞子が飛散するため、美観だけでなく健康面への配慮も必要です。
  • 排気ガス・埃・油汚れ:幹線道路沿いや工業地帯に近い建物でよく見られる、灰色〜黒っぽいくすみです。大気中の微粒子(カーボンや油分)が少しずつ壁面に積もって発生するため、白い外壁ほど目立ちやすい傾向があります。
  • 鳥のフン:強い酸性の汚れで、放置すると外壁材や塗膜を傷める原因になります。シミとして定着しやすいため、見つけたら早めに対処したい汚れの一つです。

これらの汚れは、原因によって適した洗浄方法(高圧洗浄だけで落ちるものか、薬品洗浄が必要か)が変わります。

特にコケ・カビや鳥のフンは、放置すればするほど塗膜の劣化を早め、建材そのものの寿命を縮める方向に働くとされています。

「見た目が気になってきたら」ではなく、「劣化が進む前に」というタイミングで相談することが、結果的にコストを抑えることにもつながります。

依頼のタイミング、繁忙期はいつか

高所でのロープアクセス・ゴンドラ作業には、天候による制約があります。

関連する窓ガラス清掃の分野では、作業に適した条件として「晴天または曇天、風速3m/s以下、気温15〜25度程度」が目安とされており、同じ設備・工法を使う外壁清掃にもおおむね当てはまると考えられます。

夏季(6〜8月)は炎天下を避けて早朝・夕方以降に、それ以外の季節は日中(9〜15時頃)に作業するケースが多いとされています。

また、大掃除需要から年末にかけて依頼が集中する傾向も指摘されており、年末の仕上がりを希望する場合は早めの問い合わせが安心です。逆に言えば、繁忙期を避けて依頼することで、希望の日程を確保しやすくなる場合もあります。

清掃だけで十分か、それとも塗装が必要か

「外壁清掃を依頼したいが、実は塗装のタイミングなのでは」と迷う方も多いのではないでしょうか。

その見分け方として広く知られているのが「チョーキング現象」の確認です。

外壁を手のひらで軽くこすってみて、白い粉(チョークのような粉)が付着するようであれば、それは汚れではなく塗膜の劣化サインです。

表面の汚れであれば清掃で見た目が回復しますが、チョーキングが出ている状態は、塗装が本来持っている防水機能そのものが低下しているサインとされています。

もう一つの簡易的な確認方法として、雨の日や水をかけたときに外壁の色が変色するかどうかも目安になります。

チョーキングを放置すると、外壁が雨水を吸収しやすくなり、藻やコケ・カビの発生、ひどい場合はひび割れ(クラック)につながるとされています。

逆に言えば、チョーキングが出ていない段階であれば、清掃だけで美観を回復できる可能性が高いということでもあります。

まずは外壁を触ってみて、状態を確認してから業者に相談するとよいでしょう。

なお、このチョーキング現象を見せて「今すぐ塗装しないと大変なことになる」と契約を急かす悪質な業者も報告されているため、指摘された場合は焦らず、複数の業者に見てもらうことをおすすめします。

次の塗り替えタイミングの詳しい目安については、当サイトの別記事「外壁塗装、次はいつ必要?マンション・ビルの耐用年数の目安と塗り替えサイン」もご覧ください。

建物の用途によって、確認したいポイントは変わります

  • オフィスビル:営業時間中の施工可否、テナントへの事前周知の方法。ロープアクセスやゴンドラは足場のように建物全体を覆わないため、営業を続けながらの施工がしやすい傾向にあります。
  • 賃貸マンション・分譲マンション:ベランダの利用が一時的に制限される時間帯や、住民への周知文の準備を業者側で対応してもらえるか。管理組合として発注する場合は、理事会向けの説明資料(見積金額・工法の比較表)を用意しておくと合意形成がスムーズです。
  • 商業施設・店舗:看板や入口が隠れないという無足場工法の利点は、集客への影響を抑えたい商業施設と特に相性がよいポイントです。薬品洗浄を行う場合は、通行人への飛散防止養生の方法も確認しておきましょう。
  • 工場・倉庫:建物の規模が大きく、足場面積・工期も長くなりやすいため、操業スケジュールとの調整や、区画ごとに分けた分割施工が可能かを早めに相談しておくと計画が立てやすくなります。

発注の流れ

初めて外壁清掃を発注する場合、流れが見えないと不安に感じるものです。業者による違いはありますが、おおむね次のように進みます。

  • 電話・問い合わせフォームなどで相談、現地調査を依頼
  • 現地調査(建物の高さ・立地・汚れ具合・屋上のアンカーポイントの有無を確認。多くの場合は無料)
  • 工法(ロープアクセス・ゴンドラ・足場など)・作業日数・費用を提示した見積書の受け取り
  • 内容に納得できれば契約
  • 施工(天候によっては日程がずれることもある)
  • 仕上がりの確認・支払い

見積もりを比較するときに見ておきたいポイント

1社の見積もりだけで即決せず、3〜5社程度から話を聞いて比較することをおすすめします。金額だけでなく、次の点も併せて確認すると、後悔しにくい選び方ができます。

  • 単価の内訳(㎡単価なのか、一式料金なのか)
  • 提案されている工法とその理由(なぜロープアクセスなのか、ゴンドラなのか、足場が必要なのか)
  • 薬品洗浄を行う場合、周辺の通行人・植栽・駐車車両への養生方法
  • 労災保険・損害賠償責任保険への加入状況
  • ロープ高所作業特別教育など、有資格者の在籍人数

マンション管理組合の理事会や、法人の稟議に諮る場合は、各社の見積金額に加えて、提案工法の違いと資格保有者数・保険加入の有無を一覧表にまとめておくと、説明資料としても使いやすくなります。

保証やアフターフォローも確認しておきたい

清掃後の仕上がりに満足できなかった場合、無償で再施工してもらえるのか、追加費用がかかるのかは業者によって方針が異なります。

契約前の段階で、仕上がりに関する保証や、作業中に外壁・設備を破損した場合の補償について、保険の加入状況とセットで確認しておくと安心です。

こんな業者には要注意

独立行政法人国民生活センターの発表によると、リフォーム工事に関する訪問販売の相談件数は2021年度9,756件、2022年度10,099件、2023年度11,861件と増加傾向にあります。外壁清掃も例外ではなく、契約前に次のようなサインがないか確認しておきましょう。

  • ロープ高所作業特別教育の修了者が本当に在籍しているか、資料を求めても曖昧にする
  • 労災保険・賠償責任保険への加入について聞いても、はっきり答えない
  • 会社の所在地・固定電話番号・代表者名が公式サイトや見積書に記載されていない
  • 相場から大きく外れて安い見積もりを提示し、契約後に高額な追加費用を請求してくる
  • その場での即決や、着工前の全額前払いを強く迫ってくる
  • 見積書・契約書を書面(紙またはPDF)で発行しない
  • チョーキング(白い粉)を指摘して「今すぐ塗装しないと大変なことになる」と契約を急かす

✓ 業者を選ぶ際のチェックポイント
  • 建物のあるエリアが対応エリアに含まれているか
  • ロープ高所作業特別教育・ゴンドラ取扱業務特別教育の修了者が在籍しているか
  • 労災保険・賠償責任保険に加入しているか
  • 提案された工法(ロープアクセス・ゴンドラ・足場・ドローン等)の理由に納得できるか
  • 3〜5社程度から相見積もりを取り、単価内訳・追加費用の条件を比較したか
  • 仕上がりに満足できなかった場合の保証・再施工対応を確認したか

よくある質問

Q. 外壁清掃と窓ガラス清掃は同時に依頼できますか。

A. 多くの業者が両方に対応しています。同じ足場・工法を使える場合、まとめて依頼することで効率的に施工できるケースもあるため、見積もり時に相談してみるとよいでしょう。

Q. 足場を組まずに高圧洗浄までできますか。

A. 建物の条件や汚れの程度によります。屋上にアンカーポイントとなる構造物があれば、ロープアクセスやゴンドラで高圧洗浄・薬品洗浄を行った実例は多くありますが、汚れがひどい場合や広範囲を均一に洗浄したい場合は、足場のほうが適していることもあります。現地調査を依頼して、業者に判断してもらうのが確実です。

Q. 外壁清掃はどのくらいの頻度で行えばよいですか。

A. 建物の立地や汚れの進み方によって異なりますが、汚れが目立ってから検討するケースが多いのが実情です。沿岸部や幹線道路沿いなど汚れが進みやすい立地では、内陸の建物より短い周期での相談が向いています。

Q. ドローンによる外壁清掃は、どの業者でも対応していますか。

A. いいえ、2025年に登場したばかりの新しい技術のため、対応できる業者はまだ限られています。導入を検討する場合は、実際の施工実績と対応可能な建物条件を業者に確認することをおすすめします。

まとめ

外壁清掃は、足場を組まないロープアクセス・ゴンドラという選択肢に加えて、2025年にはドローンによる高圧洗浄という新しい方法も登場し、工法の選択肢が広がっています。

一方で、どの工法にも得意・不得意があり、「この工法なら万能」と決めつけないことが、後悔しない発注につながります。

まずは複数の業者に現地調査を依頼し、建物の状態に合った工法と費用感を比較することから始めてみてください。

迷ったら、オヤズナの無料相談から始めるのも一つの方法です。

外壁清掃の見積もり相談はこちら

無料で現調依頼する