外壁清掃の見積もりは、「洗浄方法×面積」で算出されるのが一般的です。
ただし、同じ「外壁清掃」でも、汚れの種類・外壁の素材によって必要な洗浄方法が変わり、単価が2倍以上変わることも珍しくありません。
この記事では、外壁清掃の見積もりがどう組み立てられているかを、発注担当者向けに整理して解説します。
見積もりは「高圧洗浄」か「薬品洗浄」で単価が変わる
外壁清掃には、大きく分けて「高圧洗浄」と「薬品洗浄」の2つの方法があり、どちらが必要かによって単価が変わります。
| 洗浄方法 | 仕組み | 単価目安(ロープアクセス) | 向いているケース |
| 高圧洗浄 | 水を高圧で吹き付けて汚れを落とす | 200〜500円/㎡ | 排気ガスの黒ずみ・ほこり等の表面汚れ |
| 薬品洗浄 | 専用薬剤で汚れを浮かせてから洗い流す | 500〜1,000円/㎡ | コケ・藻・カビ等の根を持つ汚れ、水圧に弱い素材 |
管理担当者が見落としがちな「汚れの種類」が単価を左右する
多くの管理担当者が見落としがちな重要なポイントがあります。それは「外壁の面積」ではなく「汚れの種類と素材の組み合わせ」が洗浄方法、ひいては単価を決定するという考え方です。
なぜそうなるのか?汚れと素材の相性
高圧洗浄は水圧だけで落とせる表面的な汚れには効果的ですが、コケ・藻・カビのように根が外壁に食い込んでいる汚れには、水圧だけでは不十分で再発しやすくなります。一方、モルタルのように吸水性が高くひび割れやすい素材に強い水圧をかけると、素材を傷めるリスクがあります。
| A. タイル外壁+排気ガス汚れ | B. モルタル外壁+コケ・カビ | |
| 適した方法 | 高圧洗浄のみで対応可能 | 薬品洗浄が必要 |
| 理由 | タイルは水圧に強く、表面汚れのみ | モルタルは水圧に弱く、根のある汚れは再発しやすい |
| 見積もり | 安くなりやすい | 高くなりやすい |
見積もりを依頼する前に確認すべきこと
この考え方を踏まえると、見積もりを依頼する際には面積だけでなく「外壁の素材」と「汚れの種類(排気ガス・コケ・カビ・鳥の糞等)」を業者に伝え、どちらの洗浄方法になるのかを確認することが、精度の高い見積もりにつながります。
料金の目安
高圧洗浄の目安
水を高い圧力で吹き付けて汚れを落とす方法です。洗浄力が高い一方、外壁の素材によっては表面を傷めたり、防水性を損なったりするリスクがあります。
- 100㎡(片面):20,000〜50,000円
- 300㎡(中規模ビル相当):60,000〜150,000円
薬品洗浄の目安
専用の薬剤を外壁に浸透させてコケ・カビ・汚れを浮かせてから洗い流す方法です。薬剤で汚れをあらかじめ浮かせておくことで、高圧洗浄だけに頼る場合より水圧を抑えられ、外壁への負担を軽減しやすいとされています。
| 面積・条件 | 平米単価 | 料金目安 | 補足・想定条件 |
| 100㎡(軽度のコケ) | 500〜700円/㎡ | 50,000〜70,000円 | 薬剤の浸透時間込みで通常1日以内に完了 |
| 300㎡(中規模ビル) | 600〜900円/㎡ | 180,000〜270,000円 | 複数日に分けて薬剤処理することが多い |
| 500㎡以上(重度のカビ) | 700〜1,000円/㎡ | 350,000〜500,000円 | 複数回の処理が必要になる場合がある |
→ 300㎡×600〜900円 = 18万〜27万円が料金の目安です。
ドローン洗浄という新しい選択肢の費用感
2025年に入り、ドローンを使った高圧洗浄サービスを開始する会社が国内で複数登場しています。ある会社の実証事例では、従来の足場作業と比較して作業時間を約3分の1、コストを約2分の1に削減できたと報告されており、対応可能な高さは建物条件によるものの最大120m程度とされています。
足場が不要なため、高所からの墜落や設備接触のリスクを低減できる点、洗浄ムラの少ない均一な仕上がりが期待できる点もメリットとして紹介されています。ただし、薬品洗浄や細部の手作業が必要な場合は、ロープアクセスとの組み合わせになることもあります。
追加料金が発生するケースと計算方法
上で説明した単価はあくまで「標準的な条件」での話です。素材・汚れの程度・建物形状によって追加費用が発生します。
| 追加料金が発生するケース | 料金が増える主な理由 | 具体的な内容 |
| 重度のカビ・コケ | 複数回処理の手間 | 1回の薬品洗浄では落としきれず、複数回の処理が必要になる |
| 鳥の糞害がある | 専用処理費 | クリプトコッカス症等の健康リスクがあるため、専用の防護・処理手順が必要 |
| 塗膜が劣化している(チョーキング) | 清掃では対応できない | 手でこすって白い粉が付く状態は、清掃ではなく塗装が必要なサイン |
| 排水設備への配慮が必要 | 廃水処理費 | 薬剤を使う場合、排水先の確認・中和処理が必要になることがある |
外壁の素材によっても単価が変わる
住宅・ビルの外壁に使われる主な素材には、サイディング・モルタル・ALCパネル(軽量気泡コンクリート)・タイルなどがあります。素材によって表面の性質が異なるため、適した清掃方法も変わり、それが単価差につながります。
- モルタル:表面がザラザラして吸水性が高く、コケ・カビが発生しやすい素材です。ひび割れが生じやすいため、強すぎる水圧を避け、素材に配慮した方法で対応できるかがポイントになります
- ALCパネル:耐火性・防音性に優れる素材ですが、表面が多孔質なため、洗浄方法によっては内部に水分が浸透しやすい点に配慮が必要です
- タイル:汚れが目立ちにくい反面、目地に汚れが溜まりやすい素材です。洗浄に使う薬品が弱いと汚れが落ちきらず、逆に強すぎると「薬品焼け」を起こすおそれがあるため、事前のテスト施工を行っているかが安心材料になります
清掃で済むか、塗装が必要かの判断基準
「外壁清掃を依頼したいが、実は塗装のタイミングなのでは」と迷う方も多いのではないでしょうか。その見分け方として広く知られているのが「チョーキング現象」の確認です。外壁を手のひらで軽くこすってみて、白い粉(チョークのような粉)が付着するようであれば、それは汚れではなく塗膜の劣化サインです。
表面の汚れであれば清掃で見た目が回復しますが、チョーキングが出ている状態は、塗装が本来持っている防水機能そのものが低下しているサインです。チョーキングを放置すると、外壁が雨水を吸収しやすくなり、藻やコケ・カビの発生、ひどい場合はひび割れにつながります。まずは外壁を触ってみて、状態を確認してから業者に相談するとよいでしょう。
発注前に確認すべきポイント
適正な料金で発注するために、見積もりを取る前・取った後に以下を必ず確認してください。
- 外壁の素材と汚れの種類を伝えて、洗浄方法を確認する
- テスト施工(特にタイル等)を行っているか確認する
- 見積書に「洗浄方法・面積・追加要因」が明記されているか確認する
- 複数社から相見積もりを取る
- 資格・保険の確認
テスト施工の実施可否
特にタイルなど薬品焼けのリスクがある素材では、本施工前にテスト施工を行っているかを確認しておくと安心です。薬剤が弱いと汚れが落ちきらず、逆に強すぎると「薬品焼け」を起こすおそれがあります。
複数社から相見積もりを取る
外壁清掃の費用は業者によって大きく異なります。最低3社から相見積もりを取り、洗浄方法の選定理由・テスト施工の有無・追加料金の説明の丁寧さを比較材料にしてください。
まとめ
外壁清掃の料金は「洗浄方法×面積」で算出されますが、それだけでは正確な見積もりにならないケースがあります。外壁の素材・汚れの種類が洗浄方法を決定し、その分が単価の差として反映される仕組みです。「なぜその洗浄方法・その金額なのか」を業者に説明させることが、適正価格で発注するための最も有効な方法です。
もし「どの会社に相談すればよいか分からない」「足場を組まずに対応できる業者を探している」といった場合は、オヤズナの無料相談も活用してみてください。オヤズナでは、高所ロープ作業や外壁清掃に対応している会社の中から、条件に合った業者を紹介しています。
まずは相談だけでも問題ありませんので、外壁清掃会社を探している方は参考にしてみてください。