鳥害対策の見積もりは、個人宅なら「面積(㎡)×単価」、マンション・ビルなどの法人向けなら「戸数・箇所数×パターン」で算出されるのが一般的です。
資材費と施工費は別物で、この2つを混同すると見積もりの比較を誤りやすくなります。
この記事では、鳥害対策(防鳥ネット等)の見積もりがどう組み立てられているかを、発注担当者向けに整理して解説します。
見積もりは「資材費」と「施工費」に分けて考える
鳥害対策の費用は、ネットや忌避剤そのものの「資材費」と、設置にかかる「施工費」の2つで構成されます。
| 項目 | 内容 | 単価目安 |
| 防鳥ネット設置(資材+施工) | ベランダ・バルコニー等へのネット設置 | 3,500〜5,000円/㎡ |
| 清掃・消毒・糞処分 | 既にある糞の除去と消毒 | 3,000〜5,000円/㎡ |
| 巣の撤去 | 空の巣(卵・ヒナなし)の撤去 | 10,000〜30,000円程度 |
| 忌避剤設置 | ジェル状・スプレー状の忌避剤 | 1,000〜3,000円/m |
管理担当者が見落としがちな「資材単価」と「施工費」の違い
多くの管理担当者が見落としがちな重要なポイントがあります。それは、ネット自体の資材単価だけを見て「安い」と判断してしまうことです。
なぜそうなるのか?資材と施工の関係
防鳥ネット製品そのものの価格データ(複数メーカー94点の比較)では、平均12,765円、最低2,137円、最高68,235円という幅があります。ただしこれは資材単価であり、施工費は別途かかります。高所のベランダ・外壁に設置する場合、資材費より施工費(高所作業の人件費)の方が総額を大きく左右することも少なくありません。
| A. 低層階のベランダ | B. 高層階のベランダ・外壁 | |
| 資材費 | 同程度 | 同程度 |
| 施工費 | 比較的低い(脚立等で対応可能) | 高くなりやすい(ロープアクセス等が必要) |
| 総額 | 資材費が占める割合が大きい | 施工費が占める割合が大きい |
見積もりを依頼する前に確認すべきこと
この考え方を踏まえると、見積もりを依頼する際には「資材費」と「施工費」が分けて記載されているかを確認することが、他社との比較や適正価格の判断につながります。
料金の目安:個人宅
戸建て・個人宅のベランダ一式(ネット設置+清掃+巣撤去等の組み合わせ)の目安です。
- 総額目安:60,000〜100,000円程度
- 太陽光パネルの鳩よけ対策(外周30mの場合):120,000〜210,000円程度
料金の目安:マンション・ビル・工場(法人向け)
法人向けは建物の規模・箇所数に応じて個別見積もりになりますが、実際の施工事例として次のようなものがあります。
| 建物規模 | 施工内容 | 料金・工期の実例 |
| 15階建てワンルームマンション(バルコニー70戸) | ロープアクセスによる防鳥ネット設置 | 約75万円、施工期間2日(ある業者の実例) |
この事例を手掛けた業者は、「ロープアクセスでの作業により、足場を組み立てての作業と比べ1/3の工期」「足場組立・解体にかかる費用と工期を丸ごとカットできる」と説明しています。マンション・ビル・工場・病院・大学・ホテル等、幅広い法人施設で同様の施工実績が確認できます。
対策場所によって必要な工法が変わる
鳥害対策が必要になりやすい場所は、「駐車場開口部」「屋上・パラペット」「看板・照明」「塔屋(看板塔)」「外壁」「庇軒下」など多岐にわたります。足場を組みにくい高層階のベランダや外壁、看板の裏などでは、ロープアクセスで屋上から降りてピンポイントで作業する方法が選ばれる傾向があります。
追加料金が発生するケースと計算方法
上で説明した単価はあくまで「標準的な条件」での話です。被害の状況や建物の形状によって追加費用が発生します。
| 追加料金が発生するケース | 料金が増える主な理由 | 具体的な内容 |
| 卵・ヒナのいる巣がある | 経過観察・再訪問費 | 鳥獣保護管理法により無許可で撤去できないため、巣立ちを待つか許可取得の相談が必要になる |
| 糞害が広範囲・長期間 | 消毒・清掃費の増加 | クリプトコッカス症等の健康リスクがあるため、通常より入念な消毒処理が必要になる |
| 外壁・看板裏等の複雑な形状 | 施工時間の増加 | ネットの固定箇所が多くなる複雑な形状では、作業時間が伸びて施工費が増える |
| 再発防止の保証を求める | アフターフォロー費 | 鳩は帰巣本能が強く再発しやすいため、施工後の点検・保証を付ける場合は別途費用がかかることがある |
鳥獣保護管理法との関係、自分で対策していいのか
鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(鳥獣保護管理法)により、鳩の捕獲・殺傷や、卵・ヒナがいる巣の無許可での撤去は禁止されています。違反した場合、同法第83条により1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が科される可能性があります。
一方、卵・ヒナがいない空の巣は施設の管理者が自分で撤去してよいとされており、防鳥ネットや忌避剤などの予防的な対策自体は、鳩を傷つけたり捕まえたりするものではないため、設置に許可は必要ないと整理されています。「追い払いは一律許可不要」と単純化せず、卵・ヒナの有無で切り分けて考えることが大切です。
対策に適した時期
鳩は3〜5月頃に繁殖のピークを迎えるとされています。卵・ヒナができる前の、繁殖が本格化する前の時期(真冬〜2月頃)に対策しておくと、無許可で撤去できない期間を避けやすくなります。
発注前に確認すべきポイント
適正な料金で発注するために、見積もりを取る前・取った後に以下を必ず確認してください。
- 見積書に「資材費」と「施工費」が分けて記載されているか確認する
- マンション・ビル・工場での施工実績があるか確認する
- 鳥獣保護管理法を踏まえた提案をしてくれるか確認する(卵・ヒナの有無の確認)
- 複数社から相見積もりを取る
- 保証・アフターフォローの内容を確認する
法人向けの施工実績を確認する
個人宅向けの実績しかない業者だと、大規模施工の勝手が分からないことがあります。マンション・ビル等での施工実績・事例写真の提示を求めてください。
複数社から相見積もりを取る
鳥害対策の費用は業者によって大きく異なります。最低3社から相見積もりを取り、資材費・施工費の内訳・施工実績・保証内容を比較材料にしてください。
まとめ
鳥害対策の料金は「資材費+施工費」で構成されますが、資材単価だけを見て比較すると適正な判断を誤ることがあります。建物の高さ・形状・被害の広がりが施工費に影響し、その分が見積もりの差として反映される仕組みです。「資材費と施工費、それぞれどのくらいかかるのか」を業者に説明させることが、適正価格で発注するための最も有効な方法です。
もし「どの会社に相談すればよいか分からない」「高層階のベランダ・外壁に対応できる業者を探している」といった場合は、オヤズナの無料相談も活用してみてください。オヤズナでは、高所ロープ作業や鳥害対策に対応している会社の中から、条件に合った業者を紹介しています。
まずは相談だけでも問題ありませんので、鳥害対策会社を探している方は参考にしてみてください。